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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第23章 ざわつきのアフター6。


「あ、たまちゃん! ちょっと待って? 一緒に帰ろう」

 平川さんがそう言って席を立つ。すると下出が、「ええ⁉ 平川さんまで帰るんすか!?」と、焦りの声を上げた。

「だって、たまちゃんと言う彼女が居るのに、合コンなんて行くワケないでしょ? 次からは、僕は頭数に入れないでね?」

 そう言うと平川さんは、下出に手をヒラヒラと振って、アタシの腰に腕を回した。そして、帰ろうとアタシを促す。山岡さんが居ないから、演技をしなくてもいいのにと、アタシは思ったが促されるまま、平川さんとオフィスを出た。

 廊下に出ると、アタシはもう演技はしなくてもいいだろうと、平川さんから少し距離を置く。平川さんが、少し驚いた顔をして「どうしたの?」と尋ねて来たので、アタシは山岡さんが居ないのだし、演技をする必要はないからと理由を述べる。すると平川さんは、「そっか……」と言って、少し寂しそうな顔をした。

「でも、付き合い方を教えるって言ったよね? だから、僕に任せてくれると有難いんだけど……」

 平川さんにそう言われて思い出す。ああ。確かにそんな事は言っていたかも。でも、お付き合いってどんな事をするんだろう。まさか、いきなり変な所に連れていかれるとか、ないよね?

「信用ないなぁ……。大丈夫だよ。たまちゃんが嫌がる事は絶対にしないから」

 そう言って平川さんが苦笑いを浮かべた。そっか。そうだよね。平川さんはアタシに協力してくれているんだもの。急に変な事したりなんかしないよね。アタシは「ごめんなさい」と謝ると、平川さんが差し出してくれた手を取った。平川さんは、アタシの手が重なると、指を絡めるように握り直し歩き出す。

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