おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第23章 ざわつきのアフター6。
「おまじない」と言って、先生がアタシの両膝頭にチュッチュッと軽く口付けを落とす。アタシはそれで終わるのかと思ったのだけれど……。先生は、唇でゆっくり膝を撫で始めた。アタシの顔色を伺う様に、じっと見つめながら。その顔は、「お医者様の池田先生」ではなくて。知らない男の人の様だった。
先生は、傷口を避けるようにその周りを舌でゆっくりとなぞる。じんじんとした痛みは、やがて快楽の痺れに変換され、アタシの身体が徐々に熱を持ち始めていく。
舌でアタシの脚を舐めながら、「あれから自分でエッチな事はしましたか?」とか、「あの日以降も毎日オモチャのモニタリングをしているのですか?」等と、恥ずかしい事を尋ねてくる先生。アタシは言葉で答える事が出来ず、首を縦に振ったり、横に振ったりして先生の質問に答える。だって、口を開こうとすると、エッチな溜息が零れそうだったから。身体の内側に溜まっていく熱。それを何とか抑えようと、アタシは膝を擦り合せる。すると先生は、アタシが立てていた膝を左右に割り、目を細めた。
「どうしたのですか、森脇さん? ここが……触ってもいないのに、濡れている様ですよ?」
そう言うと先生は、アタシの脚の付根に手を伸ばし、そこを縦になぞった。アタシはとうとう我慢出来ずに、甘い溜息を零す。
「これは治療が必要なようですが……。ここでは治療が出来ませんね。私は構わないのですが、貴女は嫌でしょう? 落ち着いた場所で治療をしましょうね?」
先生はそう言って妖しく微笑む。そしてアタシの身体にシートベルトを着け、エンジンを掛けると車を走らせた。