おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第23章 ざわつきのアフター6。
「先生。訊いてもいいですか?」
「はい。ですが、場所を変えませんか? 少し肌寒くなってきました。風邪を引いてはいけませんし……。もっとゆっくり話が出来るところへ行きましょう」
池田先生にそう言われ、アタシは素直に従う。先生の後について行くと、公園を出たところに先生の車が停めてあった。
「……っとその前に、それを何とかしないといけませんね?」
先生はアタシの膝を見ると、ダッシュボードから救急セットと取り出した。色んな事に気を取られていた為なのか、アタシは自分が怪我をしている事にも気付いていなかったのだ。恐らく、先程誰かにぶつかった時に、アスファルトで擦ってしまったのだろう。
「ストッキングもボロボロですね。手当をしたら、買いに行きましょう。取り敢えず、ストッキングは切ってしまいますが、よろしいですか?」
「はい。構いません」
アタシが了承すると、先生は鋏でストッキングを切り、脱がせてくれた。そして膝を出す様言われたアタシは、シートの上に膝を立てて先生の方を向く。先生は「沁みるかもしれませんが」と前置きしてから、脱脂綿に消毒液を含ませて、軽く傷口を叩いた。
「うっ……!!」
今まで痛さなんて感じていなかったのが、嘘の様に痛い!! アタシは気を紛らわす為に、ふーふーと傷口に息を吹きかけた。そんなアタシを見て、先生はクスクスと笑う。
「この程度でしたら、傷も残らないでしょう。良かった。森脇さんの肌に傷が残らなくて……」
そう言いながら、先生はアタシの脚をスッと撫で上げた。消毒液が沁みて傷口がじんじんしている所を撫でられて、アタシの身体はビクッと跳ねる。先生は心配そうな顔をして「痛い?」とアタシの顔を覗き込んだ。