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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第4章 高槻雅史という男(その1)。


「これか? これは『タコっCHU』と言って、タコの口の部分がクリトリスを吸引し、振動を与える仕組みになっている、クリトリス専用ローターだ」

 高槻さんはそう言いながら、オモチャの蓋を開け、新しい電池を入れた。そして電池を入れながら、さらに説明を加える。

 この商品には『タコCHU-CHU』という上位版があり、そちらはパソコンのUSBに繋いでソフトを起動すると、プログラムされている吸い付きや振動の強弱を自動的に楽しむ事が出来るらしい。

 コードが気になる人は、この『タコっCHU』を使うらしいのだが、調整は自分で行わなければならず、それが煩わしい人は、コードの煩わしさを我慢して『タコCHU-CHU』を買い求めるのだと言う。

 アタシは、エッチな商品を買うのは、恥ずかしくないのだろうかと、少しずつ覚醒し始めた意識の中で思った。

「現在は、両方のニーズに応えられるように、"Bluetooth"で動く物を開発中なのだが、バッテリーの問題があって難航中だ」

 高槻さんはそう言って眉間に皺を寄せて溜息を吐く。本体を動かす電力と、プログラムを受信する為の電力が必要で、そうなるとどうしても電池だとパワーが落ちる上、直ぐに停止してしまうと言うのだ。

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