おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第29章 処女なのにGスポ開発!?
多分、軽蔑していたんだろうと思う。軽蔑されたくない。それに、辞めたくはない。最初の頃は、辞めたくて仕方が無かったアタシだが、最近はそう思う様になっていた。
エッチな事がしたいんじゃなくて、アタシが入社してから関わったオモチャが市場に出て、お客様の声で「買って良かった」と言う言葉を頂いたから。もっとお客様が楽しめる商品を作るお手伝いがしたいと思ったから。だから、今は辞めたくないと思っている。
取り敢えず今は経験を積んで、どんなオモチャであれば気持ち良くなれるのかを知らなければならない。それには、今のままでは駄目なんじゃないかなって思う。処女であるが故に限定されてしまうから。けれど、処女がAD部に配属されたのは、初めての事らしく、結構、重宝がられているのも確かだ。なら、今の状況で最大限の努力をしなくちゃね。
山岡さんはティッシュでエッチな露に塗れたアタシのアソコを拭き取ってくれると、照れ臭そうに「はい。おしまい」と言って、ゴミをポケットに捻じ込んだ。後でトイレに流すんだそう。そして、ノートパソコンにデータを打ち込んでいく。アタシはそれを横で見ながら、着替えを済ませた。
「モリリンのお陰で、経験のない女の子でもGスポはオモチャで開発出来るって証明で来たよ! 有難うな」
そう言って山岡さんがアタシの頭をくしゃっと撫でた。役に立てたのなら嬉しい。アタシが笑みを浮かべて頷くと、山岡さんは急に顔を赤くして、そっぽを向いた。急にどうしたんだろう? まあ、いいか。それよりお腹が空いた。時計を見れば、もう直ぐお昼時。アタシは山岡さんとベッドのシーツを取り換えて整えると、スタジオを出てオフィスに戻ったのだった。