おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第5章 平川拓斗という男(その1)。
「室長……。自分、もう我慢が出来ませんっ」
アタシが腰をガクガクと揺らしながら、悶えている目の前で、下出は自分の股間を押さえて高槻さんにそう言った。
「ふっ……。実を言うと私もだ。森脇が余りにもイイ声で啼くので、久し振りに昂ってしまったようだ」
そう言って高槻さんは、視線を下へ落とす。釣られてアタシも、高槻さんの視線の先へと目を向けると、高槻さんのお腹の辺りが膨らんでいるのが、ぼんやりと見えた。
それがどう言う事なのかを知らないアタシは、快楽に溺れる頭の中で「高槻さんて、下腹が出てるのね。胃下垂かしら」なんて、アホな事を考えていた。
「恐らく、外にいる連中もそうだろう。場所を変えるか」と高槻さんはひとり言の様にそう言うと、アタシを攻めているオモチャを下出に握らせ、物品庫から出ていった。
オモチャを手渡された下出の呼吸は何故か荒く、アタシに身体を擦り寄せてくる。それが、なんだか気持ち悪い。
でも、何かを言って罵声を浴びせられるのは怖いので、アタシは何も言えずに、床を見つめながら、唯、嬌声を上げ続けた。
すると下出は、アタシの頬を撫で「さっきはごめんな」と、何故か謝ってくる。何のことか分からなくて顔を上げると、下出の熱の籠った瞳がアタシを見ていた。