おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第33章 呼び出し。
シャワーを浴びた後、リビングで雑誌を読みながら寛いでいると、テーブルの上のスマートフォンが震え出した。着信相手は、坂内部長。こんな時間に何の用だろう。珍しい。僕はスマートフォンを取り上げると、スワイプして電話に出る。
「はい。平川です」
『お疲れ様。坂内です。こんな時間にすまないね。今、大丈夫かな?』
「はい、大丈夫です。何かありましたか?」
僕が用件を尋ねると、坂内部長はいきなり「君って車、持ってたよね?」と尋ね返してくる。「ええ、持ってますよ」と答えると、今度は「今日は飲んでない?」と再び質問。何なんだろうと思いながらも、飲んでいない事を告げると、「今からある場所に来て欲しい」と言われた。
「え? 今からですか?」
『そう、今から。実はね……』
そう言って坂内部長が理由を話し始める。僕はその理由を聞くなり、「直ぐに行きます!」と言って、簡単に着替えると、車の鍵と財布をポケットに突っ込み、部屋を出た。