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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第35章 忙しい連休(その1)。


 「ええ~!? 川上さんも平川さんも、何処にも出掛けないんですか!? 彼女とかは!?」

 下出の大きな声に、思わずそちらを向くと、平川さんは困った様に笑い、川上さんは堪忍袋の緒が切れたのか、「うるさいよー」と言って下出の両頬を摘まんで、横にビローンと引っ張っている。

 「だいたいシモと違って、俺は彼女がいたら合コンなんか行かないよぉ? いないからシモに付き合ってあげてるんでしょーがぁ……」

 そう言って川上さんは、片手で下出の頬を掴むと、ぷにぷにと指で両頬を押し潰した。頬の肉に押し潰され、唇が突き出て変顔になる下出。川上さんはそれをスマートフォンのカメラで撮ると、「俺を怒らせたら、社内にこの写真をばらまくよ?」とニコニコしながら言った。普段、他部署の女子社員の前では格好をつけている下出にとっては、それが困る事なのか顔を引き攣らせている。

 そんな遣り取りを苦笑しながら見ていると、「あ、そうだぁ」と言って川上さんが椅子のキャスターをコロコロ転がして、アタシと山岡さんの傍へススッと近寄ってきた。

 「今日で研修も終わるしさぁ、仕事が終わったら三人でご飯を食べて帰らない?」

 川上さんがそう言ってニッコリ笑う。

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