テキストサイズ

おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第6章 コミュ障。


 アタシの涙が零れなくなると、川上さんと山岡さんは、アタシの身体を労わる様に擦りながら、頬や首筋に唇を滑らせる。触れるか、触れないかの微妙な加減で。

 それが擽(くすぐ)ったくて、思わず肩を竦めて笑うと、お二人も微笑んで「笑っている方がいいよ」と言って軽く頬に口付けをくれる。何だかこの二人、凄く息がピッタリだ。全然タイプが違うのに。

 川上さんは、話し方ものんびりで、人をリラックスさせる柔らかい雰囲気が漂っている。くっきりとした二重瞼に、笑うと八重歯が覗いて、甘くてちょっと可愛い感じ。

 一方、山岡さんの方はちょっぴりチャラチャラした感じ。少し長めで明るい髪の色に、綺麗に整えられた眉毛。チャラそうなんだけど、嫌な感じはしないのは、笑顔が優しいからかな。

 平川さんも優しいお顔のイケメンさんだが、整い過ぎていて恐縮してしまう。けれど、川上さんと山岡さんが、ニコッと笑いかけてくれると、何だか安心する。

 アタシがこれまでに出会った事のないイケメンさんなんだけれど、何となく親しみやすくて、高槻さんや平川さんの前にいる時よりも緊張はしない、なんて思うのは失礼だろうか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ