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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第39章 接触事故。


 連休が明けて、初の出勤日の朝。いつもと変わらず、平川さんがホームで待っていた。正直に言って、どんな顔をして会えばいいのかと、悩んでいたのだけれど、平川さんは特に変わった様子もなく、ちょっと拍子抜けしてしまった。意識しているのは、アタシだけなんて悔しいから、アタシも出来るだけ気にしない様にしたのだけれど。

 会社に到着し、いつもの様に裏口から入り、AD部の扉の前に立つ。山岡さんと顔を合わせるのは、あの日以来でちょっと緊張する。連休中、一度も連絡がなかったけど……。どうしてなのか、訊いてもいいのかな。それとも、気にしない方がいいのかな。そんな事を扉の前で考えていると、ポンと肩を叩かれた。ハッとして振り向くと、給湯室でコーヒーを淹れてきたらしい平川さんが、「中に入らないの?」と言って首を傾げていた。

 「入ります! 大丈夫です!」

 アタシはそう言うと、力一杯ドアを開ける。すると勢いが良過ぎたのか、ゴム製の戸当りに扉が当たり、跳ね返った扉に顔面を激突させてしまった!

 「あイタッ!!」「ブッ!!」「プッ……」

 アタシが顔面を抑えて蹲(うずくま)ると、平川さんと後ろから来ていた山岡さんが、同時に拭き出す。ううっ。恥ずかしい。こんな所を見られるなんて。でも、そのお陰で、どんな顔をして会えば良いのか、なんて考えていた事は吹き飛んでしまった。

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