テキストサイズ

おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第6章 コミュ障。


 「不安な事があるなら言ってご覧」と、お二人は優しく言ってくれるが、会ったばかりの人に、アタシは自分の心の内を打ち明けられるフランクさを持ち合わせてはいない。

 そもそも、自分の心の内を誰かに話せるのであれば、コミュ障になんてならないと思う。

 一言で「コミュ障」と言っても、色んなタイプがある。先天性の身体的障害からくる物。精神的な物。その中でも、他人を拒絶する物もあれば、受け入れて貰えないのではないかという恐怖心からくる物もある。

 アタシの場合、子供の頃から容姿を馬鹿にされ、受け入れて貰えなかった事が起因で、長年、自分の殻に閉じこもっていた為、他人に対してどう反応していいのかが分からなくなった。

 分かったところで、心を開いて傷付けられるのが怖い。なら、他人とは関わらなければいい。アタシはそれを別に変わった事であるとは思わなかったけれど、周りから「アイツはコミュ障だ」という烙印を押されて、今に至る。

 物心ついた時から十数年、殻の内側に更にコンクリートでその殻を補強し続けてきたのだ。毎日せっせと。その厚さは一日で砕ける程、薄い壁ではない。

 幾らイケメンパワーが強くても。いや、イケメンパワーが強ければ強い程、自分をガードしてしまう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ