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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第42章 幸せのアフター6。


 「ねぇねぇ、カワぁ? 今日さ、飲みに行かない? 親父さんのトコ。最近、帰ってないんでしょ? 偶には顔出してやんなよ~?」

 十七時を過ぎた頃。アタシの左隣に座っている川上さんが、アタシの右隣に座っている山岡さんに声を掛ける。川上さんの言葉に、山岡さんはアタシの方をチラっと見て、「どうする?」と目で問い掛けてくる。アタシはその問い掛けに無言で頷くと、山岡さんは川上さんに「モリリンも一緒でいい?」と尋ねた。

 「え~? 偶には男二人で行こうよぉ?」 

 そう言って口を尖らせる川上さん。山岡さんは「モリリンと一緒じゃなきゃ行かない」なんて、嬉しい事を言ってくれる。

 「君達さぁ、毎日一緒に居るんだし、今日くらいいいじゃない。ねぇ、モリー? 偶には俺にヤマを貸し出してよぉ~」

 そう川上さんが言うと、平川さんが「それなら、僕がたまちゃんを誘ってもいい?」なんて言い出し始める。山岡さんは平川さんに、「それは絶対に駄目!」と言うと、平川さんは苦笑いを浮かべて、それから切なそうにアタシを見た。ううっ。心が痛い。けれど、アタシにとって一番は、やっぱり山岡さんだから、どうしようもないのだけれど。

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