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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第42章 幸せのアフター6。


 付き合い初めて一カ月。最初は会社に居る時と変わらず、敬語で話していたアタシだったけれど。それだと壁があるみたいで嫌だと、山岡さんに言われ、最近、何とか砕けた話し方が出来る様になった。そうなってみると、山岡さんとの距離が、一段と近くなったみたいに感じて。それに、会社に居る時と違う、お互いの呼び方にも、特別な感じがして嬉しくなるのだ。

 「珠子……。大好きだよ」

 山岡さんが耳元でそう囁く。「珠子」と呼ばれる事、「大好き」と言われる事のダブルパンチに、アタシの胸はキュンキュンしてしまう。

 「珠子は俺の事好き?」

 山岡さんはいつも確認する様に、そう尋ねる。だから、アタシは心を込めて、「大好き」だと答えるのだ。アタシがそう言うと、山岡さんは嬉しそうに笑い、口付けの雨を降らせる。アタシは山岡さんの首に腕を回し、言葉と身体と吐息で「好き」の気持ちを伝えていく。

 同じ言葉を何度も言うと、有難味がなくなるとは聞くけれど。それは受け取る側の問題でもあるんじゃないかなと思う。「有難味がなくなる」と言うのは、受け取る方がそれを当然と思ってしまうから。もしくは、その言葉を疑ってしまうから。けれど、その言葉を信じて、それが当たり前の事じゃないんだって思っていれば、いつでも嬉しく感じられるんじゃないのかな。余り言われると、ちょっと擽ったいけど。

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