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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第44章 突然の訪問者。


 週末──。

 両親には、友達の家に泊まりに行くと言って家を出る。勿論、行き先は友達の家なんかじゃなくて、山岡さんの住むマンションだ。嘘を吐く事に、罪悪感はあるけれど。アタシは未だ、正直に「お付き合いをしている人の家に泊まりに行く」とは言えなかった。何故なら、どのタイミングで言えばいいのか分からなかったからだ。

 昼過ぎに隣の駅のロータリーで待ち合わせ、簡単な昼食を摂りながら、今日の予定を話し合う。とは言っても、人混みが苦手なアタシだから、外をうろつく事は殆どなく、大抵、お部屋で借りてきたDVDを見ながら話をしたり、エッチしたり、エッチしたり、エッチしたり……ってエッチばっかりになっちゃっているけど。アタシ達にとっては、半分は仕事みたいなものだから。

 「珠子は何か観たい映画とかある?」

 そう言って山岡さんが、アタシの顔を覗き込む。未だ、ランチタイムの時間中の店内は、休日ともあって雑多な賑わいを見せている。やっぱりカップルが多い。その次は、女の子同士のグループだ。皆、一様に楽しそうにお喋りに花を咲かせている。山岡さんとお付き合いをする様になるまで、休日には殆ど出歩く事のなかったアタシだが、今はこうして、ほぼ毎週を山岡さんと一緒に過ごす為に、家を留守にしている。未だ、一カ月程度だと言うのに、今まで一人でどんな休みを過ごしていたんだろう、なんて考えてしまう程だ。

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