おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第44章 突然の訪問者。
「アタシ、映画とか分からないから……」
そう答えると山岡さんは、「じゃあ、今日も俺にお任せだな」と言って白い歯を見せて笑う。山岡さんの屈託のない笑顔を見ると、アタシの胸がキュンキュンする。どんだけアタシは山岡さんの事が好きなんだろう。好き過ぎてヤバイかも知れない。
(早く二人きりになりたい。二人きりになってくっついていたいよ……)
そんな気持ちが顔に出てしまっていたのだろうか。山岡さんは、急に顔を赤くすると、「そろそろ出よう」と言って、伝票を手に取って立ち上がった。驚いたアタシは山岡さんを見上げると、山岡さんは身を屈めて「早く家に帰ろう? 今日は、映画は諦めてな?」と、アタシの耳元で囁いた。急にそんな事を言われて、ひょっとしてアタシの心の中を見透かされたんじゃないかな、なんて思って恥ずかしくなる。けれど、早く二人きりになりたいと思っていたアタシは嬉しくて。顔に血液が集中するのを感じながらも、無言でコクンと頷く。
いつもなら、マンションに帰る途中のスーパーで、食材を買うのだけれど、山岡さんは「今日はピザでも取ろう」と言って、アタシの腕を引き、家路を急いだ。ちょっと余裕のない山岡さんにも、ドキドキする。だって、この調子だとお部屋に着いたら、即ベッドに直行パターンだもの。それを思うと、またドキドキしてアソコがキュンと疼いてしまうのだ。前にも増して、どんどんエッチになっていく自分が怖い。けれど、山岡さんを求める気持ちは抑えられない。