無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　モリリンと一緒に過ごそうと思っていた週末に、また、妹の小百合が訪ねて来た。

　初めは追い返すつもりだった。けれど、スカートの裾が翻った時にチラリと見えた痣が腿の辺りに見えた瞬間、果たしてそれが正しい事なのかと考えてしまった。

　先週、訪ねて来た時に風呂に入れた際にも、薄かったけれど、身体のあちこちに何かの痕があった。子供の頃なんて、不注意で怪我をする事なんて、よくある事だけれど、それもよく動かす手足くらいだろう。だから、背中や腹周りの痣には違和感を覚えた。

　一度、きちんと尋ねるべきだろう。学校で虐められていたりするのか。それとも、大人にやられたものなのか。

　子供同士の喧嘩なら、大人が出ていくべきではないと思うが、虐めとなれば別の話だし、もし、大人につけられたものであれば、犯罪に巻き込まれる可能性だってある。原因をつきとめて、親父にも話すべき事だろう。

　しかし、小百合は何であそこまでモリリンに不遜な振舞いをするのだろうか。まるで敵の様な目でモリリンを見る。

　近い将来、自分の家族になるかも知れないのに。少なくとも、俺はそのつもりだし、感触からしてモリリンだって、そう思ってくれていると思う。