おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第48章 山岡一徹という男(その3)。
一緒に過ごしている内に、仲良くなってくれる事を祈って彼女を引きとめたが、結局、モリリンは帰ってしまった。俺のイチャイチャ計画は台無しである。
それにしても、毎週家を空ける必要があるのだろうか。「町田の婆さん」と俺達は呼んでいるけれど、実際には小百合の母親である、百合の祖母である。孫である百合よりも、子供である百合の親や伯父・伯母が面倒を見るべきではないのだろうか。それに、百合を連れて行っては駄目なのだろうか。何か腑に落ちない。
(まさか……浮気?)
セックス依存症のあの女の事だ。考えられなくはない。小百合が生まれてからは母親としての務めをきちんと果たしていた。だから、すっかり完治したものだと思っていたけれど、小百合が小学校に上がり少し手が離れた所為で、再発したのかも知れない。
しかし、それなら平日の昼間に親父とヤリまくってる筈だし、午後には小百合が学校から帰ってくるのだから、浮気相手を見つける暇なんてない筈だ。
(でも、まあ、見つけようと思えば、ネットでも見つけられるワケだしな……)
兎に角、あの女が見舞いに行っているのか、爺さんの家に行っているのかの裏を取る必要はあるだろう。それから、小百合の身体の傷の事も。