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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第48章 山岡一徹という男(その3)。


 どんな家でも、自分の家が落ち着くのだろう。ましてや、今日は自分の味方になってくれる兄弟が傍にいる。小百合が燥ぐ理由はそんなものだろうと思っていた。

 俺の手をギュッと握り締め、楽しそうに電車の窓から暮れた街並みを眺める幼い妹。時折、俺を見上げてはニコッと笑う可愛い妹。

 小百合の為にも、自分とモリリンの為にも、さっさと片付けてマンションに戻ろう。この時の俺はそう思っていたのだった。






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