おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第49章 治療。
人身事故で遅刻したその日。
山岡さんは、お家の都合でお休みだと連絡が入った事を川上さんに聞かされた。小百合ちゃんの事が深刻な状況なのだろうかと心配になり、メールを打ってみたけれど、直ぐに返信はなかった。
土日を我慢して乗り越えれば、山岡さんに会えると思っていたから、寂しかったけど。平川さんと出勤前にエッチをしてしまった罪悪感もあって。ホッとしているアタシも居たのは事実だ。
それを忘れる様に、いつもの通りに仕事をこなし、退社の支度を整えていると、スマートフォンのメールの着信通知ランプが点滅している事に気が付いた。
アタシは山岡さんからだと思って、意気揚々とメールを確認したけれど。それは山岡さんからのものではなく、池田先生からのものだった。「治療に来るように」と言うメールである。
朝から平川さんとエッチしちゃったのに。夜は池田先生とだなんて、アタシの性活はかなり乱れている。こんなんで大丈夫なんだろうかと、自分の行く末が不安になった。
しかし、約束は約束だ。守らないワケはいかない。池田先生の事だから、暴走するなんて事はないだろうけれど。何かあって、ここで仕事が出来なくなるのは嫌だから。
アタシは了承のメールを池田先生に送ると、「一緒に帰ろう」と言う平川さんにお断りをして、会社を後にした。