おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第51章 【番外編】真夏の出来事(その2)。
目を開けたら視界に入ってきたのは、丸太で組まれた天井とゆっくりと回転するシーリングファン(天井扇風機)だった。ハッとして身体を起こすと、広いリビングの真ん中に設えたソファの上で、タオルケットが掛けられていた。それをそっと持ち上げて中を覗くと、アタシはまだ裸のままで。けれども砂は一切ついていなくて、誰かがアタシの身体を拭いてくれたのだと言う事が分かった。
それはそうだよね。身体中に皆さんの白いアレをぶっ掛けられたんだし。仕事中でも気を失ってしまった時は、必ずその時のパートナーがきちんと処理をしてくれる。それが恥ずかしくて申し訳ないと思う。アタシは皆さんにお世話になりっぱなしだ。これじゃあ、ペット扱いでも仕方が無い。自分の始末を出来ないのだもの。自分の未熟さが情けなく感じるよ。
そう言えば皆さんはどうしたのだろうか。また外に遊びに行ったのだろうかと、浜辺側の窓を見ると、陽が傾き海へと着地し始めた頃だった。思わず「うわぁ」と声を上げて、窓辺へと駆け寄る。勿論、タオルケットは身体に巻き付けて。初めて夕陽が海に沈んでいく光景を目にしたアタシは、暫くそれに見惚れていた。すると、そっと誰かに後ろから腕を回された。
「目が覚めたんだ? 身体は大丈夫か?」と耳元で響く声。山岡さんだ。アタシが頷くと、「そっか。良かった」と言ってアタシの肩に顎を載せる山岡さん。恋人同士みたいな甘い雰囲気に、ちょっと……いや、かなりドキドキしてして意識してしまう。気さくでいつもアタシの面倒を見てくれる山岡さん。初めてのエッチの時も、とても気を遣ってくれて。お陰でエッチに対する恐怖心は持たなくて済んだ。アタシが坂内部長の次に頼りにしているのは、山岡さんだ。