逢いたいから~恋とも呼べない恋の話~
第5章 再会
私の母と新婦の母が姉妹なんです」
「なるほど、萌さんは新婦さんの従妹なんだ」
萌たちは小声で囁き合った。
「それじゃ、僕はまだ仕事が残ってるんで」
祐一郎は軽く頭を下げ、萌のいるテーブルを離れていった。
「ねえねえ、今のは、どういうことよ? あんなイケメンのカメラマンとどこで知り合ったの」
早速、ユッコが鋭い突っ込みを入れてくる。
萌は周囲の耳を気にしながら応えた。
「前に一度、証明写真を撮って貰ったことがあるの。ただそれだけのことよ」
「ふうん? それにしては、萌の愕き様って、何だか久しぶりに恋人に再会したようなっていうか、随分と表情が生き生きしてたというか華やいでたけど」
ユッコはあまり納得してないような顔である。
「もう、良い加減なことばかり言わないでよね。これでも一応、亭主持ちですから」
私が茶化すと、ユッコが吹き出した。
「そうよね。真面目な萌がまさか不倫なんて、するわけないものねえ。史彦さんという人がちゃんといるわけだし」
「あら、失礼ね。私だって、格好良い男がいれば、恋の一つや二つする度胸も覚悟もあるわよ」
「どうせ口だけよ、萌にそんな大胆さがあるわけないじゃない」
その言葉に、私は真剣に傷ついてしまった。
「ねえ、ユッコ。私って、そんなにお堅い感じがするかしら?」
と、ユッコが眼を丸くした。
「何を馬鹿なことを言ってんの。不倫なんて、それこそ、ドラマや小説の中でしか出てこないものよ。現実にそんなことしてる人がこの世の中にどれだけいると思ってるの! そりゃあ、全くいないわけじゃないけど、そんな人たちは、ほんのひと握りだけ。大抵の一般市民は地味に生きてるんだから。いやだ、萌ったら、少しからかっただけなのに、何でそんなに真剣に受け取るの?」
そこで、その話は終わりになった。
司会者が二度目のお色直しのため、新婦が一時退席すると高らかに宣言したためだった。
「なるほど、萌さんは新婦さんの従妹なんだ」
萌たちは小声で囁き合った。
「それじゃ、僕はまだ仕事が残ってるんで」
祐一郎は軽く頭を下げ、萌のいるテーブルを離れていった。
「ねえねえ、今のは、どういうことよ? あんなイケメンのカメラマンとどこで知り合ったの」
早速、ユッコが鋭い突っ込みを入れてくる。
萌は周囲の耳を気にしながら応えた。
「前に一度、証明写真を撮って貰ったことがあるの。ただそれだけのことよ」
「ふうん? それにしては、萌の愕き様って、何だか久しぶりに恋人に再会したようなっていうか、随分と表情が生き生きしてたというか華やいでたけど」
ユッコはあまり納得してないような顔である。
「もう、良い加減なことばかり言わないでよね。これでも一応、亭主持ちですから」
私が茶化すと、ユッコが吹き出した。
「そうよね。真面目な萌がまさか不倫なんて、するわけないものねえ。史彦さんという人がちゃんといるわけだし」
「あら、失礼ね。私だって、格好良い男がいれば、恋の一つや二つする度胸も覚悟もあるわよ」
「どうせ口だけよ、萌にそんな大胆さがあるわけないじゃない」
その言葉に、私は真剣に傷ついてしまった。
「ねえ、ユッコ。私って、そんなにお堅い感じがするかしら?」
と、ユッコが眼を丸くした。
「何を馬鹿なことを言ってんの。不倫なんて、それこそ、ドラマや小説の中でしか出てこないものよ。現実にそんなことしてる人がこの世の中にどれだけいると思ってるの! そりゃあ、全くいないわけじゃないけど、そんな人たちは、ほんのひと握りだけ。大抵の一般市民は地味に生きてるんだから。いやだ、萌ったら、少しからかっただけなのに、何でそんなに真剣に受け取るの?」
そこで、その話は終わりになった。
司会者が二度目のお色直しのため、新婦が一時退席すると高らかに宣言したためだった。