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短編集2

第3章 万華鏡

「.......なに。」





ぶっきらぼうに返すと一輝は片手に持っていたノートを俺に差し出した。







「これ、今日の午後の講義のやつ.......」







久々の会話に緊張しているのか一輝の手は小刻みに震えていた。






「今日の午後の講義、出てなかったよね?困ると思って.....」





差し出されたノートを見て、俺は







「いらねぇ」





と、吐き捨てた。











「っ........で、でも今日の教授、難しいって有名だし、それにっ.....!」





なおも食い下がらない一輝にイライラして口調が荒れる。







「いらねーって!」







その声に一輝の肩はびくりと跳ね上がった。







「お前のじゃなくても他のやつが貸してくれるっつーの。つか何で講義休んだこと知ってんだよ。気持ち悪い......」




そう吐き捨てると、眼鏡で表情がわからないまま一輝はごめんとだけ呟いてトボトボと家の中に入っていった。

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