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短編集2

第3章 万華鏡

体が弱くて、中学校は休みがちだった一輝。




それでも高校、大学とあいつは俺の後を追って勉強し、毎日欠かすことなく出席している。









その反面俺はというと......





予定をすっぽかしてさっき誘われた合コンに午後の講義をサボってでていた。








「深夜くん、抜け出さない?」






スルリと腕を絡めてきた女子に一瞥してそのまま合コンを抜ける。









そのままホテルまで行って、






「あぁんっ.....」









抱いて、


















そんな堕落した生活を送っている。












夜の10時を回る遅くに、俺はホテルから帰ってきていた。






目の前に立つ二つの大きな家の片方のもんに手をかけると、俺より高い、細い声が届いた。






「お、おかえり深夜くん......。」







こんな時間にこんなところで俺に声を掛けるのはこいつしかいない。





ちらりと姿を確認するとやっぱり冴えない一輝の姿。







俺がその声を無視して家に入ろうとすると






「待って!」






と、止められた。










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