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短編集2

第3章 万華鏡

「深夜くんのタイプ、料理できるこってきいていっぱい練習したんだ。僕トロいから、まだまだ作れないけど。」




現実の俺には喋らないことを、いや、喋れないことを穴埋めするかのように一輝は話す。





「中学校の頃までしか知らないから変わっちゃったかもだけど、ハンバーグ作れるようになったんだ。もうバラバラじゃないし、味もちゃんとするよ。」




「.......そうか....」




俺はそんな一輝の話を笑って聞いてやることしかできない。






「深夜くんにお嫁さんにしてもらったら、ご飯は僕が作って、食後のコーヒーは深夜くんに入れてもらうのが夢だった。絶対おいしいんだ。」







「深夜くん、嘘でいい。夢の中だけでいい。好きって言って欲しい。」

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