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短編集2

第5章 美形×平凡特集

浮気性俺様美形×一途な平凡

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「おい、飯買ってこい。」



「.........わかった.......」





目の前で足を組んで座る男に、俺は顎で指示されてご飯を買いに行く途中だ。





仮にも、恋人なのに。








吾妻 礼央


整いすぎた顔 幅広い交遊 何と言っても圧倒的なカリスマ性、大学内で知らないものはいない程の有名人。






そんな礼央に、平凡な俺 瀬戸 聖は一目惚れをして、アタックして、告白もして、何とかOKをもらって付き合ったものの......







「もーやだぁー、吾妻ってばあ!」


「ねー礼央ー、僕とも遊んでよ?」





美人な女の人から、可愛らしい男の子まで周りに囲んで俺の恋人であるはずの男は










堂々と浮気をしている。









これは今に始まったことじゃない。



なによりこんな平凡な俺を、礼央が選んだことが不思議なんだ。



最初から遊びだって、割り切ろうとした。


でも、どんな扱いを受けても惚れた弱みというのは厄介で......





こうやって浮気を目の前にすごすごとご飯を買いに俺の足は向かっている。







なんでこんな最低なやつを未だに思い続けているのか自分にもわからないが.........











初めてみたとき、すごい綺麗で......




男しか好きになれない俺に、嫌悪を示さなかった。










”ふーん、お前男しか好きになれねーの。なら俺のこと好きになれば?”




そういって笑った礼央の顔が、どストライクだったんだ。

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