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teardrop

第4章 4滴

苦しくて、うまく呼吸ができず脳に行き届く酸素が足りないような感覚の中。

透花の意識は薄らぎ、気が遠くなるのを感じた。

すると突然、透花の呼吸や苦しそうな様子がピタッと静まる。

そして、目を閉じて顔を両手で覆い隠すと静かに呼吸を整えてく。

焦ってばかりの松本に、透花は「少し、静かにして…」と冷静に言う。

5分ほどすると、急に何度か大きく息を吸い込んでゆったり吐き出していく。

発作は治まった。

透花はまだ少し痺れの残る手を見ながら握ったり開いたり、振ったりしている。

気怠そうに「まぁた、発作…」と言うと、それを耳にした松本は「発作!?」と聞きなおした。

その声に反応した透花は目線を松本にやりながら「そう…発作…」と答えた後、小さく「アナタ達は…?」と呟いた。

そして松本と藤沢を見る。

藤沢と目が合った透花はほんの一瞬見つめた。

「私、疲れたし体調も良くないみたいだから帰るわね」

髪をかきあげ、立ち上がって身なりを軽く整える透花。

そんな透花の様子は何だか別人のよう。

まだ怠そうな様子で歩き出す透花の後ろ姿を見てる藤沢と松本。

お互いの顔を見合せた後「トーカちゃん、送ってくよ」と後を追った。

マンションに到着すると玄関の掃除をしていた祖母と鉢合わせる。

松本は透花の祖母に挨拶をした後、自分達は同じ高校に通うクラスメイトである事を話した。

透花が「二人に送ってもらったの。さっき、また発作が…」と言う。

祖母はそれを聞いて透花を心配しつつ、二人に礼を言った。

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