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捨て犬

第12章 キス、してもい?

「すんごい旨い!

エミ、また作ってくれよな」



「うん」


エミは
大きくうなずいたけど
さっきみたいな笑顔は
なかなか見せてくれない

口角きゅってなってんの
見てぇのにな


もう一回見てーな

・・あの笑顔



「ハンバーグ
難しかったか?」



「うん・・」



「どこが?」



「玉ねぎ・・」



「あはは(笑)
そーだよな
切るのが遅いと
更に辛いんだよあれは」



「あと・・・

焼くのが
ちょっと怖い」





「ふ~ん・・・

火が


・・・怖いのか?」



なんか
またエミの爆弾発言が
出るんじゃないかと
ビビりながら
質問してみた



「火は怖くない

油がはねて熱いの」



「そ、そっかそっか

そーだよな~~

熱いよなぁ~」



よ、よかった・・・

なんか
ホッとしたよ


火が怖い理由とかあったら
それもうなんか
命にかかわりそうだもんな



「料理、楽しいか?」



「うん!」



おっ
なんか今日は
感情の幅が大きい気がするなぁ


するとエミは
買ったばかりの本を出してきて
俺の横に座って
ページをペラペラとめくり始めた



「どれが食べたい?」



って俺の顔を覗くエミ



やばい

俺、顔ニヤけるぅ~~~




「そっだな~・・・

あ、これとかうまそ~」



「わかった。他は?」



「そうだな・・・」



って俺はペラペラページを
めくりながら

エミが
食器の片付けをしないで
俺の隣に座っていることに
驚いていた



片付けるの
忘れてるってことは


エミの頭の中の怖い思い出が
封印されてるってこと

だよな?






なんか




いい感じだよな?


これって。

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