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捨て犬

第13章 聞かないで



翌朝

目が覚めると
俺はいつものように
目を閉じたまま
エミを抱きしめ

エミがいることに
安心しながら
ほんの少しだけ
薄目を開けた


そして
まだまどろんでる
エミの向こうのテーブルに
視線を合わせると


テーブルの上の食器は


綺麗さっぱり
片付いていた


「エミ…おはよう」


まだ眠っているエミに
声をかけて


っちゅっ…


「ん…おはよ…」


多分
俺が眠ってる間に
食器を片付けをしたエミは
まだ眠そう


「俺、今日飲み会で遅くなるから
ひとりで飯、食っとけよ?」


「…うん…」


寒いのか
エミは布団を鼻の下までかぶり
目だけを俺に向けた


その目にキスをして
俺は
布団に入ったまま
タバコを吸った




朝ってさ


まったりしてて


布団が恋しくて


温もりがたまんなくて






したくなるよね?



俺だけ?

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