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捨て犬

第9章 殴らないで

煙草に火を付けて
ベットに上がり
黙りこくるエミを
俺は
いつものように
背中から抱きしめた


煙草を吸って
大きく煙をはき
エミの髪に顔を埋めると



エミはもう
震えてはいなかった



「なんで
俺んちがいーの?」



「カ、カズマが・・」



あ、名前呼んでくれた



「俺が何?」



「いいから」



「なんで?」



「や、やさいい」



「そんだけ?」



「たのしい」



「他には?」



「う、うれしい」



何回質問しても
好きってのは
出てきそうもねーな(苦笑)



「お前さぁ
俺と一緒にいたい?」



「うん・・」



「そっか・・・」



聞きたかったけどな
好きだからって
お前の言葉


でも、ま、いっか


俺の名前
呼んでくれただけで。


一緒に居たいって

言ってくれただけで。




「ごめんな」



「・・・・」



「怖かったか?」



エミは黙ったまま
うなずいた



「ごめん」



「怖いの・・苦手」



「そうか・・・

もうしない
優しくする」




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