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果てない空の向こう側【ARS】

第1章 五十嵐家の朝

わが五十嵐家は、母ちゃんと俺ら息子の6人家族。


父ちゃんは、俺が高校生の時交通事故で死んだ。


それまで母ちゃんは昼勤の看護師の仕事をしていたけど、父ちゃんが死んでからは夜勤もするようになった。


俺らを育てるのに、必死だったんだ。


だから、長男である俺は、母ちゃんが夜勤の日は、朝食の用意をして弟たちを起こして送り出すようになった。


あれから何年もたって、弟たちが大人になってもそれはやめなかった。


「ねむ…。」


俺は、自室のベッドに横になると少し寝た。


早起きは、実は苦手だ。


だから弟たちを見送った朝は、少し二度寝する。


世のお母さん方は、毎朝こんなことしてるなんて大変だな。


そんなことを思いながら、俺は夢の中に落ちて行った。

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