ディアブロ☆~共同生活約150日~
第15章 年末
11月の半ばを過ぎてから
メンバーは多忙を極めていた。
年末特番の収録や雑誌の撮影
来年から始まるツアーの準備と
全員揃ってゆっくりごはんを
食べる暇すらなかった。
私も年末年始が近づき
彼らの年賀状の宛名書きに
追われる日々だった。
(印刷じゃダメなのかなぁ…。)
「本当はそれぞれ一言づつ
手書きでコメントいれたいところなのよ。
でも数が数だから…せめて宛名くらいは
手書きで出したいの。」
多田さんからそう言われて
山積みになっていた年賀状に
一枚一枚宛名を書いていた。
「おい!寝るなら部屋で寝ないと
風邪でぶっ倒れるぞ。」
『あ…逞くん。おかえりなさい…。』
メンバーは朝早くから
深夜まで仕事をしている。
朝はバタバタしていて
みんなバラバラに
ごはんを食べずに出て行く。
せめて帰りは待っていようと
私は毎晩みんなが帰ってくるまで
起きて待っていた。
しかし今日は宛名書きをしながら
寝てしまっていたらしい。
「この時期お前が倒れたら
寮ぐっちゃぐちゃになるんだから。
無理して帰り待たないで寝てろ。」
『でも…。』
「俺たちがいない間
寮の管理さえしてくれてたら
寝てても誰も怒らねーよ。」
そう言われて私は自室に戻って眠った。