ディアブロ☆~共同生活約150日~
第16章 お正月
―ガチャン。
「っるせー…。」
「やっと起きたよ~。
お寝坊たっくん。」
「奏太…。」
逞くんは不機嫌そうにドアを開いた。
「陽菜ちゃんが作ったおせち
早く来ないとなくなるよー。」
「あぁ。今着替えて行く。」
そんな逞くんもそろって
久しぶりに全員で食卓を囲んだ。
『そういえばみんな
明日から何するんですか?』
「実は…俺は琉斗とバリに行ってきまーす!」
水輝くんは見るからに
ウキウキしたように
そう言った。
『毎年旅行ですか?』
「うん。何だかんだ毎年2人でどっか行ってる。」
(クールな琉斗くんとチャラい水輝くん。
両極端に見えて仲良しだから
びっくりだよね。)
『逞くんは?』
「俺は実家帰るよ。」
「俺も。」
逞くんと奏太くんは実家で
休みを過ごすらしい。
『純くんは?』
「僕は…寮でのんびりかな。
ちょっと街が落ち着いたら
買い物行ったり。」
『純くんは旅行とか行かないの?』
「うん。毎年寮に一人でいるか
友達が暇してたら遊びに行くくらいかなぁ。
あ、でも陽菜ちゃんもずっと
寮にいるんでしょ?」
『うん。そのつもり。』
「じゃ今年は1人じゃない♪」
「陽菜ちゃん1人占めずるい~。」
水輝くんが少し頬を膨らました。
「水輝は琉斗1人占めだろ。」
『ははっ!確かに!』
逞くんの言う通りだと思い
私は吹き出してしまった。
「えー。」
「嫌なのかよ。贅沢だなお前。」
「俺そういう趣味ないもん。」
久々に全員揃っての食事は
とても団欒していた。