ディアブロ☆~共同生活約150日~
第17章 観覧
その日私が観覧させてもらうのは
ディアブロのメンバー全員が
出演している冠番組の収録。
案内された楽屋は思っていたよりも広めで
5人全員が同室だった。
『みんな同じ部屋なんですね。
てっきり1人1人
バラバラなのかと思いました。』
「バラバラの時もあるよ。
でもだいたい5人で集まっちゃうね。
番組の流れも確認できるし。」
ヘアメイクが終わった
奏太くんはそう教えてくれた。
それから私は多田さんの横に着いて
収録が始まるのを待った。
―コンコン。
「多田さん、ちょっといいですか?」
「あ、はい。
須藤さん、このまま少し待ってて。」
『はい、わかりました。』
多田さんはスタッフの
誰かに呼び出され
楽屋を出て行った。
私は隅の方でみんなの様子を見ていた。
5人は何か打ち合わせの
ようなものをしたあと
それぞれ別々のことをしていた。
…そんな時私はトイレに行きたくなった。
(勝手に行ったら多田さんに怒られちゃうよね…。
でもこのまま収録中も我慢は無理!
どうしよう…。)
そう思っていると、雑誌を読んでいた
逞くんと目が合った。
『あの…逞くん?』
「ん?」
『ちょっと…トイレ行ってもいいですか?』
「あぁ。場所わかるか?」
『いえ…でも大丈夫です!
もし多田さん戻って来たら
トイレ行ったこと伝えてください。』
「わかった。迷子になるなよ!」
『はい、失礼します。』
私は楽屋を出てトイレへ向かった。