ディアブロ☆~共同生活約150日~
第7章 神崎逞―カンザキ タクマ―
その日私はいつものように
夕食の買い出しに行っていた。
(今日は早く帰ってくる人は
特にいないし…
ゆっくりしたくできるなぁ。)
そんな事を考えながら
マンションに戻ってきた時
突然若い女の子数人に
声をかけられた。
「あの!すみません…。
このマンションにディアブロ☆の
逞くんが住んでるって
話なんですけど
見かけたことありますか?」
(はっ!?何なのこの子たち。)
「私のおじさんがタクシーの
運転手をしてて
ここまで何回も逞くんを
送ったみたいなんです。」
「住んでないにしても
目撃したとか無いですかぁ?」
「私たちすっごくディアブロ☆
のファンで…。
一度でいいからお話したくて!」
(やっぱりファンの子か…。)
『一度も見たことないですし
ここに芸能人が住んでるなんて
聞いたこともありませんよ。
大体、本当のファンなら
プライベートの自宅を探して
張り込むような醜いこと
やめた方がいいですよ。
本人の気持ちを無視して
私利私欲のために
自分勝手な行動するのは
どうかと思います。』
腹が立った私は
若干説教じみた口調で
女の子たちに言った。
「は?なにこの人。」
「感じ悪~い。」
『あんまりしつこく
ここに居座るつもりなら
大家さんに連絡しますよ。』
「うざ。帰ろ帰ろー。」
(迷惑な子たち!
逞くんに会ったらタクシーの会社
変えるように伝えよう…。)
私は呆れながら
部屋へ戻った。