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A family is the best

第4章 変化

――――――

伯母さんが1回外に出て俺の乗っている後部座席に乗ってくる。

そして隣に座り、俺の両肩に手を置いた。

伯母「潤くんよく聞いてね?あの事故は、意図的に行われたことだったのよ。」

潤「え?」

意図的に?誰が?

伯母「あなたたちのお父さんとお母さんはすごい人だった。誰にも優しく、勇気のある人たちだった。だから誰からも愛され、支援の活動をしていたのよ。」

父さんと母さんのしていた仕事は、地震や事故で自分の家族を失った人や、心に闇を抱えた人たちを励ましたり笑顔にしたり、する仕事。

だから一年に三、四ヶ月ほどは県外にいて、被災地や病院を回り、カウンセラーなどの仕事をしていた。

伯母「でもね。人の気持ちはそれぞれよ。そのことに恨みの感情を持つ人もいるの。」

潤「恨み……?」

意味がわからなかった。

伯母「そう。誰からも愛され、いつも笑顔だった二人にね。例えば、子供の頃から虐待され、誰からも愛されなかった人とかは、誰からも愛されているあの二人を羨ましく思って、その気持ちが恨みに変わっちゃったりするの。」

潤「まさか……」

伯母「そうよ。あの事故はその人達が起こした事故だった。雅紀くんはただ巻き込まれただけだったの。」

潤「でも、父さん達は……雅紀を守って……」

伯母「親は誰だって、自分の子供を命を懸けてでも守ろうとするわ。虐待する親もいるけれど。あのときもそうだった。あなたの両親は雅紀くんを守ったの。自分の愛する子供を。それが、潤くんだったとしても、和也くんだったとしてもあなたの両親は同じことをしたと思うわ。」

潤「そんな……じゃあ……俺は………雅紀に何てことを…………」

伯母「自分を責めないで……?誰だって勘違いをすることはある。それに潤くんはまだ若いわ。まだまだ時間はある。家に帰ったら雅紀くんに会って、謝ったらどう?雅紀くんはまだ潤くんたちのことを信じてる。許してくれるわよ。」

俺はその言葉に、泣いてしまった。

伯母さんはそんな俺を優しく抱きしめ、背中を擦ってくれた。

俺が泣き止んだら、伯母さんが、

伯母「さて。家に帰りましょ。」

そう言って、運転席にもどり車を家に向かって走らせた。

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