方位磁石の指す方向。
第6章 scene 5.5
「くぁっ。ふ…っ、」
智の蕾がとろとろになるまで
愛撫してやった。
…焦らして、焦らして──…
智が我慢出来なくなるまで
焦らしてやるんだ。
そうすると、
いい声で鳴くから。
「すきだよ…」
「…っ…ふぁ、ぁあ、」
耳元で囁けば
硬くなっていく智自身。
…その蕩けた顔、
堪んない…。
すっげぇ、唆られる。
いつも以上に優しくしてあげれば
体も声も、全部全部
素直になるから。
「ねぇっ…まさきぃ、
もうっ…むりっだからぁ…」
涙目で訴えれば
誰でも堕ちる。
そんな甘い考え、
俺にいつまでも通用すると
思ってんだ?
甘いよ、智。
そんなの利いたの、
付き合い始めの頃だけだよ。
もっと、もっと魅せてよ…
俺だけに、ずーっと。
「ねっ、まさ…っ」
うるさい唇は、
ゆっくり塞いでやる。
「んっ…んんっ、」
角度を変えて何度も何度も
キスをすれば、次第に智自身が
大きくなっていくのがわかった。
唇を離せばとろん、とした顔で
こちらを見つめてくる。
「まさきぃ…」
「なーに?」
「もう…がまん、できないっ…」
「えー?
なんのこと?
ハッキリ言ってくれないと
わっかんないなぁ」
「っ…いじわるっ…、」
きっとこちらを睨むが
怖くもなんともない。
むしろ、唆られる。