方位磁石の指す方向。
第7章 scene 6
そしたらそんな気はなかったのか
二宮はポカン、と
口を開けて間抜けな顔をしてる。
…ほんと、可愛いヤツ。
「しょ、しょーさんの変態っ!」
「あはは、ごめんて、」
「許さないもん──…」
「これでも?」
「へ?…んん、」
もう一回キスしたら
二宮は顔をさっきよりも赤くさせてて。
ゆでダコみたいになってた。
「…そんなに唇ガサガサじゃないよ。
でも、リップクリームくらい
塗った方がいいかもね 」
「っ、…──余計なお世話だっ!」
肩をぺしっと叩かれて
んべっと舌を出した二宮。
そしたら、雪で滑ってコケてた。
「あたたた…」
「ふは、バカじゃん。
小学生かよ」
「なっ!高校生ですぅー!」
またぶーぶー言い始めたから
うるさい唇を塞いでやった。