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方位磁石の指す方向。

第8章 scene 7






「そう、それでさ、
…って、聞ーてる?」

「ふぇ?…なんだっけ?」

「はぁ、何回目?
疲れてるなら帰る?」

「や、違う…
なんて居心地良くて…」


そう。

潤くんといると
喋らなくても喋ってても
居心地がいいんだ。…とても。


他の誰かじゃなくて、
潤くんがいいんだ。


翔さんだと緊張しちゃうし、
相葉さんだと逆に疲れる。
智は論外。


「ふうん?そうなの?
まっ、俺も和と話してるのは
気ぃ楽かもなぁ〜?」

「ふふ、そうなの?
ありがとう。」


俺が素直に感情を伝えるなんて
珍しい。って潤くんが驚いてた。

…うん、そうなんだよ。
潤くんといるときは、
なんでも言えちゃう気がする。

現国の先生がしつこいだとか
生物の先生絶対カツラだとか。


…そういうこと、
全部言えちゃう。

それってやっぱり、
潤くんの人柄なんだろうなぁ…って
今更ながら感じている。

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