方位磁石の指す方向。
第9章 scene 8
反応がいちいち面白いから、
もう少し続けてやろうと思ったけど。
「……てよ。」
「ん?」
俺をキッと睨み付けて、
ぎゅっと抱きついてきた。
それから、はーっと
深く溜め息をつき、
「潤くんのことばっかり
話すのやめてよ…。
俺が翔さんの恋人なんだからねっ…!」
瞳をうるうるさせて、
唇をきゅっと結んで、
角度のせいか、
眉は少しだけ垂れている。
…かっ、可愛い…。
「…ごめんごめん。
つい夢中になっちゃってさ。」
「バカ、もう知らない。」
なんて言いつつ、
抱きつく腕は強くなるばかり。
「ごめんって〜」
「…バカ。」
「はいはい。
ごめんね?ほんとごめん。」
「それ謝ってんの?」
ぷーっと頬を膨らませ、
俺を睨み付ける。
かわいーの…。
きゅっと結んである唇に
思いっきり唇を重ねれば。
「んっ…」
と小さく声を漏らし、
抵抗しようとしてる。
そんな抵抗も虚しく、
ラグに押し倒した。
「はっ、ふ…」
「あんまし煽られると、
俺ほんとに
止まれなくなっちゃうんだけどな…。」
二宮の頬を優しく撫でて、
もう一度キスをして。
「きゅっ、急すぎるっ…!
だめ、ぅあっ…!」
「するわけねーだろバーカ。」
二宮の隣にごろんと寝転がり、
んーって伸びれば。
ちょっと残念そうな顔した
二宮が俺にくっついてきた。