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方位磁石の指す方向。

第3章 scene 3






「しょっしょーさんっ!」

「ぅえ?」


翔さんじゃなくて、
相葉さんが反応した。

でも、無視して。


「…翔さんっ翔さんっ!」

「おー、二宮か。
どうしたんだよ?」

「えと…あのね、…話したくて」

「えー!なにそれ。
和くん可愛い~♪」

「雅紀!」


顔を赤くする俺と翔さん。


「ま、二人でごゆっくり~♪」


って、手をひらひら振って
行っちゃった。


「……た、立ち話もアレだし…
どっかいこーよ?」

「あー、うん。」


先を歩く翔さんは
耳まで赤くなってた。

それに、きゅんっときて、
俺は顔が綻んでしまう。


「…ここ、俺たちの穴場。
1年の時はよく来てたよ。」


人気のない校舎の裏。


「…にのみ「翔さんっ…」


ぎゅっと強く抱き締めて。
そのまま、上目遣いをしてみる。

…あー、思った以上に
恥ずかしい。


「…どうしたんだよ。お前。」

「…なんでもないよ。
ただ、好きだなぁって思っただけ。」


…そうなんだよ。
好きなの。

翔さんが大好きなの。


だから、独り占めしたいの。


「…翔さんは……俺のこと、
どう思ってる?」

「……好きだよ。」

「…智は?」

「…もうなんか、吹っ切れたよ。
可能性がないんだし。
…それに、俺より雅紀の方が
智くんを幸せにできるから。」

「そっかぁ…
じゃあさ…
俺を幸せにできるのは、
翔さんだけだよね…?」

「…あぁ。そうだよ。
俺を幸せにできるのは
二宮だよ。」


座ってる翔さんの上にのって、
抱き締め合ってる俺たち。


ほんっとにもー、
好きで好きで堪んないよ。

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