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方位磁石の指す方向。

第4章 scene 4






『今日いってもいい?』


それだけ書かれた
二宮からの連絡。

ちょうど部活が
終わった時だった。

別に俺はいいけど…


『別にいいよ。
だけど帰りは暗くなるぞ?』


送ればすぐに既読がつく。


「あー!翔ちゃんラブラブしてる〜」

「うっせ。」


雅紀の額にデコピンをして
二宮都の会話を続ける。


『今どこなの?』

『雅紀ん家の近くのタバコ屋。』

『じゃあ今から行く。』

『おーよ。』


まあ、確かに雅紀ん家と
智くん家は近い。

…だから、
すぐ来るだろうなって
思って待ってたんだ。


「しょーさんっ、」

「お、二宮。」


髪の毛をぐしゃぐしゃと
撫でてやれば
機嫌が良さそうに
ニッコリと微笑む。


…ふ、可愛いヤツ。


「…あー、俺ん家さぁ
遠いからそこの公園でもいい?」

「うん、いいよ。」


また、微笑む二宮から
俺は目が離せなかった。


「んで、なにか?」

「いや、特にはないんだけどさ。
…なんか、会いたくなったから

…ダメだったかな?」

「いや、別にいいけど。」


…なんだその可愛すぎる理由。


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