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方位磁石の指す方向。

第5章 scene 5

櫻井side



「あと5周ーっ!
へばってんじゃねえぞー!」


顧問のうるせえ声が
耳に入る。

あと5周って…
もう10周ちかく
走ってるっていうのに。


最近は雨ばかりで、
なかなか練習ができずにいる。



だから、こんなふうに
走らせてばかりいる。



「よしっ、各自休憩入れ~」


俺が水道で水を
飲んでいると、隣に
潤が来た。


「コーチ、恐ろしいっすね…
あれ、毎年なんすか?」

「いや…去年はあんなに
うるさくなかったかなぁ。

どうしちまったんだろうな。」


きっと…俺たちの試合の数の
カウントダウンが始まって
いるからだろう。

…わかりきってる。


そりゃ、
そこまで強豪校なわけではない。

かといって、
弱くもない。

そんな微妙な高校だ。



…でも。


それでも俺たちは、
去年、全国大会の一歩手前まで
近づいたんだから。

少しの自信くらい、
もったってバチは当たらないはず

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