方位磁石の指す方向。
第5章 scene 5
恥ずかしいとか、
そういうのも
入ってんだろうけど。
『これ送ったら、
どう思われるかな…』
って考えちゃうからさ?
…うまくいかないんだよな。
別にそんなの翔さんは
気にしないと思うけど…
だって鈍感だし。
…だから、
そこまで気にする必要は
ないとは思うけど…
やっぱ俺、A型だし?
気にしちゃうだよ。
『二宮…じゃなくて、
和也。』
急に送られてきた
メッセージに、目を見開いてしまった。
「…きゅ、急には…
反則でしょぉ~…」
顔が赤くなるのを自覚しながら
布団を被った。
…うん、もう寝よう。
気にしてるとほんとに
恥ずかしくて
死んじゃうかもしれない。
それでも、
ぴろんっ
ぴろんっ
とうるさくなるもんだから。
『和也、』
『おーい。』
『寝たー?』
『照れてんだろ?』
…なんだこれ。
ぜってえ笑ってんな。これ。
俺のこと、からかってる。
……ほんと、
翔さんって意地悪。
『翔さん、』
って送ったら
既読がついた。
…うん。…もう…
あー、うん。
ほんとにどうしよ。
会いたくなってきた。