テキストサイズ

方位磁石の指す方向。

第5章 scene 5

櫻井side



二宮が可愛いから、
つい、いじめたくなる。


『いいもん。
智に聞くからいい。』

って、送られてきた時。


ちょっと妬いた。


『は?ダメだし。
教えるし。』

『いいっつーの。
おやすみ。』


それからは、
いくらやっても
応答してくんなくて。

…あーあ、つまんねぇの。


未だに白紙の
進路希望調査票を
見つめ、ふぅっと息を吐いた。


…どうでもいい。


「…ふぁあ、」


とにかく眠い。

画面を見た後だから
余計に眠い。

もう寝てしまいたい…けど、
テスト週間が始まる。


…あー、ほんとに…
学校は鬼畜だ。

この時期に普通やるかっつーの。



「…あ、」


…そういや、雅紀はどこに
行くんだろうか。

智くんは美大にいくって
言ってたな…


…雅紀は家を継ぐか。
働くか。

それくらいしかねぇよなぁ…
他にあるか?


いや、でも案外考えてるかも。
智くんは美大にしか行かないって
言ってるしなぁ。



…とうとうみんなとも、
お別れってことか…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ