禁断の甘い果実
第1章 *禁忌の始まり*
カレーを食いながら兄貴が俺に、
話し掛けて来た。
「お袋のカレーはいい加減飽きたけど、
確かに美味いな♪」
「……ああうん……
俺はガキの頃からお袋のカレーは、
大好きだよ♪」
「……桐生お前も?……
兄ちゃんもだよ♪」
「……そうなんだ♪……」
……俺は兄貴と……
同じだった事がやけに嬉しかった♪
「……なあ桐生……
お前さっき何で泣いたの?……」
「……ごめん兄貴……
今は言えないんだ……」
「……まあお前が……
言いたく無いなら兄ちゃんに、
言いたくなるまで待つよ……」
「……兄貴……
有り難う……」
「……てかさあ……
まさか桐生お前?……」
「……ん?……
なあに?兄貴?……」
「……いや……ワリー!
何でも無いから……」
……俺は……
桐生に言おうとした言葉を、
飲み込んだ……