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上エッチ新幹線

第22章 財前浩平の事情②

「朋美はいつも窓側に座ってたな」
「フフッ……そうだったわね」

それは久し振りに目にした
朋美のはにかんだ笑顔だった。

「俺だって窓側に座りたかった」
「言ってくれれば良かったのに。
まぁ頼まれても代わってあげなかったけど」

悪戯っ子のように朋美は微笑む。

それからは懐かしむように
昔話に花を咲かせた。

数年振りの朋美との会話。

失っていた大切なものを
取り戻したような気持ちになった。

これまでの俺は何に捕らわれていたのか。

今さら気付く俺に無性に腹が立つ。

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