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上エッチ新幹線

第23章 仲谷慎之助の事情⑥

行きの東京新潟間は
理佳の好意……というより
半ば強引に業務命令という形で
財前夫妻が乗車する
通路を隔てた隣の座席に
菜々子と共に乗せられた。

俺は財前夫妻の様子を眺めていた。

きっと俺は終始苦虫を噛み潰したような
表情をしていただろう。

そんな俺を菜々子は黙って見守っていた。

財前夫妻が本来あるべき
夫婦の形を徐々に
取り戻すところを目の当たりにした。

俺は財前夫妻のセックスを
見せつけられると確信し覚悟もしていた。

だが実際にはキス止まりで
それがかえってショックであり
浅はかな考えを持った俺を
心底情けなく感じた。

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