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上エッチ新幹線

第31章 城之内麻琴の事情③

「格好いいでしょ?」

翼の背中にはナイフで刻まれたような
無数の傷痕。

「小さい頃、義理の父親に折檻されてた」
「酷い……お母さんは守ってくれなかったん
ですか?」
「守るどころか最終的に俺は捨てられた」

親戚中をたらい回しにされた挙げ句
私と同様、施設に預けられたらしい。

「翼さん、きょうだいは?」
「一人っ子。親にも見放されて一人だよ」

私と似たような境遇。

それなのに翼はこんなにも明るい性格。

私は立ち上がると
吸い込まれるように
翼の背中に触れた。

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