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上エッチ新幹線

第38章 仲谷慎之助の事情⑨

「そういう所が鈍感だって言ってるのッ。
分かってよぉッ……察してよぉッ……」

今ので分かっちゃった……俺。

「分からないし察しない」

親友という言葉を使って逃げるのは
なんとなくズルいと思った。

「慎之助……私……どうしよう……」
「どうにもならん」

冷たく突き放す言い方をしたが
彩乃を抱き締めたい想いもある。

俺に想いを寄せていながら
それを懸命にひた隠し
俺を親友だと己を偽り
気丈に振る舞っていた彩乃が
今こうして張りつめていた糸が
プツリと切れてしまった。

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