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上エッチ新幹線

第39章 桐生彩乃の事情①

あの子が菜々子……

慎之助の腕の中で
ピョンピョン跳ねる姿が
無邪気で可愛らしい。

足が勝手に二人に向かって歩みを始める。

近付くにつれ二人の親密度が窺える。

菜々子が羨ましい。

慎之助の愛しい眼差しを感じ取り
腕の中に居るのは
私だったかもしれないのに……

馬鹿な。

有り得ない。

そんな邪念を振り払うかのように
大声で叫び大きく両手を振った。

『お~い!慎之助~!』

それからは無駄にはしゃいだ。

菜々子の刺さるような視線が痛い。

でも……

これで平和が保たれる。

私さえしっかりしていれば。

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